蜂のこと その23

●蜂を追う人へ

「蜂のこと その19」で教えていただいたMark Thompsonさんに手紙を書いた。小学生みたいな英文で恥ずかしいけれど、熱意は伝わるかもしれない。一緒に「蜂を追う人」と墨で描いた紙も送ることにした。

マーク トンプソンさんへ
玉川大学ミツバチ科学研究施設の先生にあなたのミツバチのプロジェクトのことを聞きました。わたしもミツバチに興味を持っています。わたしは"Abejas e Colmenas"、日本語のタイトルでは"みつばちの木箱"というプロジェクトをやっています。花の開花にあわせて木箱をしょって北上する蜂飼の幻影の話しを書きました。蜂飼はその旅の途中で誰ということもなく、宛先も書かずに、ただはがきを投函するのです。蜂飼はこのお話の中では隠喩としての役割でかつ象徴的です。
昨年の11月、わたしは本当の蜂飼に遭遇する機会がありました。彼は親切に、ミツバチのことやミツバチの生活について教えてくれました。そして、いつでもミツバチを観察に来てもいいと言ってくれました。わたしは生まれて初めて、蜂飼がこの地でどうミツバチを飼っているのかを見たのです。ミツバチの羽音があちこちから聞こえてくるのはとても心地よかったです。どうしてかわかりません、でもこの小さな生き物に対して感謝の気持ちが起きました。ミツバチは芸術家みたいだと。
その後、わたしは玉川大学ミツバチ科学研究施設に、取材見学の依頼のメールを出しました。
中川純さんが、返事と一緒にあなたが活動をした二つの作品、『分かたれた家』『野性のはちの足跡を追って』のことが書かれた記事を送ってくれました。
トンプソンさんのような人が本当に実在していたことに驚きました。わたしの話がただの幻想ではなく真実であったことも嬉しいです。
あなたのミツバチのプロジェクトについて本や書かれたものがあれば、是非送ってください。そして、あなたが日本に滞在した時に蜂かごをしょって、松尾芭蕉の『奥の細道』の足跡をたどった旅についてももっと詳しく知りたいです。わたしは、あなたの活動にとても興味があります。今でも続けていますか? そうだと嬉しいです。
返事が来ることを待っています。

この手紙は明日、切手をはって投函する。

*この手紙は残念ながら差出人住所移転のためもどって来ました。その後、私は、サイトでThompsonさんのことを見つけて、メールをしてみました。返事があって新たな住所をもらいました。