蜂のこと その19

●中村先生からの郵便

家に帰ると、ぽつんとA4サイズの茶封筒が届いていました。送り先を見ると玉川大学ミツバチ科学研究施設となっています。わたしはどきどきしました。養蜂家に、学術的なことを知りたいなら、この研究所に問い合わせるようにと話しを聞いていたので、サイトで調べてからメールを出しました。ひとつは、この施設への取材のお願いです。そして、もうひとつは養蜂家と会ってから、私は自分が書いた"みつばちの木箱"が実際と大きくイメージがかけ離れていることを知りました。もっとミツバチそのものの生態を知ろうと感じたこともあって、研究所に質問をかかえて行こうと思ったのです。
すぐに研究所の中村純さんから返事が来ました。「自然科学系の人でなくとも、あなたのように興味を持って何らかの形で人に伝えることを目的としている人なら歓迎するところです」と温かい返答をいただきました。少し詳しく、わたしがやろうとしている活動をお伝えし、このサイトも見て頂きました。中村純さんは、ビクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』(スペイン映画)のことも書いて来てくださったり、私の話に出てくるような木箱をしょって活動をした芸術家がいますとも知らせてくれました。長い年月をかけて制作された『ミツバチのささやき』は私がみつばちに関心を持つきっかになった作品でもあります。
木箱をしょって活動した作家のことはまったく知らなかったので、是非、教えて欲しいとお願いをしました。封筒に入っていたのは、『ミツバチ科学』(玉川大学ミツバチ科学研究施設機関誌)からの抜粋で「ミツバチを追って 私の芸術活動」Mark Thompson、翻訳松香光夫の記事でした。彼の作品を大きくわけて主に2つの場所で行われた活動に注目して書かれたものでした。ベルリンの壁崩壊前、西ベルリンの壁ぎわに1800年代前半から病院として使用されていた拠点と、松尾芭蕉の『奥の細道』に書かれた地の足跡の一部を追って、背負い巣箱で日本の旅をした記録でした。活動の写真のひとつに北カリフォルニアを歩く彼の姿がありました。この作品については、次回、もう少しよく理解をしてからここで書こうと思います。が、驚くほどにわたしがコアコンセプトとして書いているものと近いので、「あぁ、こういう人がいるんだ」とまたまた熱くなっている自分がいます。この記事の最後にMark Thompsonの住所があります。オークランドに住んでいるようです。私はMark Thompsonに手紙を書こうと思います。活動に出ているかもしれないけれど、引越をしていなければいいなと願って。そして、手紙が届くことを心から祈って!
最後になりましたが学会前の大変にお忙しい中、みつばちの切手をはって、こんなにすてきな記事をお送りくださった中村純さん、どうもありがとうございます。私はみつばちのことで夢中になっているうちに、どんなにたくさんの人に親切にしていただいているかわかりません。
いずれ、許可を頂けたら、施設の取材をさせて頂くことを楽しみにしています。