蜂のこと その16

●蜂の冬の過ごし方

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久しぶりに養蜂家に電話をしました。ひとつは、みかんの蜂蜜を買いたかったのと、もうひつは雪の時に蜂はどうしていたのかを知りたかったからです。他にもっとお話を書きたいことがあったのですが、新鮮な印象のうちにこのことを先に書きたいとめておきたいと思います。

「この辺のみつばちはね、だいたい、巣箱の温度を20°ぐらいまで下げて中で蜂球運動をしてるんですよ。室内に貯蔵してあった蜜を食べながら摩擦熱をおこして巡回するような運動です。巣箱の入口はだいぶ小さくしてあるんですがね、風が入らないように、入口の門番がうろうろうろうろしてるんですよ」
そうだ、そういえば、私が1月2日にこっそり巣箱を覗きにきた時、入口付近で顔を出したりひっこめたりしているやつがいたなと思い出しました。
「だいたい、5°〜9°もあれば太陽の光が出てる時は飛ぶのもいるんですよ。それにね、掃除をする役のが、フンや死骸を外に命がけで運び出しますからね。もっと寒い北の地方なんかになると、半分冬眠をしたような状態になるんですがこの地域だと動いているんです。ただし、この時期は卵はほとんど生まないです。
で、もうすぐ暖かくなるというちょっと前ぐらいから、また生みはじめるんですよ。蜂はね、だいたい、2カ月から3カ月先の気候を読むことができるといわれてます」
わたしはその話しに絶句しました。そしてやっとの思いでこう聞きました。
「ということは、養蜂家はその時のみつばちの行動を見て、天候や気候の予測ができるというわけですか?」
すると養蜂家はこう答えました。「まぁ、完全にわかりはしないけど、たとえば、去年の夏なんかは、例年になくみつばちがものすごく仕事をして蜂蜜をたくさん貯めるわけですよ。そうすると、秋には何かあるなと思うんです。で、昨年は秋に台風が多かったでしょう。みつばちにはそうした先見性があるんです」
私は、ひどくこの話しに感動を覚えると同時に、何か無機的な労働の繰り返しと「01010101......」が並ぶ脳のようなものを、このみつばちたちに感ぜずにはおれないのでした。
最後に「夜はみつばちはどうしているのでしょう?」と聞くと、「だいたい日没前後の15分ぐらいまでと日の出10分前ぐらいから外へ飛びますが、夜は飛ばないですよ」といいました。
「あなたね、暖かくなったら、みつばちを飼ってみたらどうですか?」

ああ、どうしたらいいんだろう、飼いたいのはやまやまだけれど......。