蜂のこと その12

●近代養蜂のこと

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人が養蜂をシステマチックな作業に確立したのは、19世紀中頃になってからのことでした。近代養蜂をもたらした、3大発明があります。
1851年、アメリカのロレンツォ・ラングストロースは巣を1枚の板として取り外しができる、巣板を発明しました。著書に『巣箱とミツバチ』があり、現代の養蜂家が飼育しているイタリア種のみつばちを進化させたことでも有名な人物です。1857年にはドイツ人のJ.メーリングが人工巣を考案しました。これにより、繰り返し採蜜できるような丈夫な巣が確立されたのです。そして、1865年にオーストリアのフルシュカが遠心分離器の発明に成功し、採蜜は手絞りから機械により効率化がさらに進みます。現在の養蜂に使用されている巣箱はみつばちの生態と採蜜を非常に合理化させた形と言えます。

養蜂家に「なぜ、木箱にペンキを塗るのですか?」と尋ねてみると、「本当は、塗料を塗ると蜂には良くない、巣箱が蒸れるからね。ただ、雨で木が腐るのを防ぐためだけですよ」と話してくれました。四角い木箱は実に簡素な形ですが、それは近代養蜂に集約された知恵の結晶であると知りました。「ヨーロッパの養蜂家を訪ねるとね、もっと巣箱が立派なんですよ。屋根が祠みたいになってたり、木彫りの彫刻があったりしてね。それぐらいに、養蜂ってことが神聖視されてるんだね。家具のように大事にしてて、これは曾おじいちゃんの時代からの巣箱だってぴかぴかに磨いて自慢して見せるんですよ」
メキシコでは、もっとペイントがカラフルで赤や黒に塗られているそうです。
明治時代の日本でも諏訪式巣箱には屋根がついていて、巣箱の形や色ひとつとっても奥の深いおもしろさがあると感じたのでした。