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2005年08月29日

キラの話し

どろんとした大きな瞳。時々白目で見つめるよ。体の毛は白くて灰色のぶちがある。それがキラ。
キラは10年生きた。

ある日男はいつものように歌をくちずさんだ。
女は待っていて、男が歌を歌ってやって来るのが好きだから。
でも、この日だけはいつもとちがった。
「嬉しいわ!その歌、大好きよ」のかわりに、女の目から涙が溢れていつまでも止まらなかった。キラがいて、男と家族のように一緒に過ごした1年が蘇ってきたからだ。まるでその日々を詩にしたような歌だったから。
どうしても、どうしても女の涙は止まらず、鼻の頭が赤くなるまで泣いていた。

愛おしいもののために詩を歌い 今はもういないキラに涙。
ある国のある日常のできごと。

泣いても泣いても、もう帰ってはこない。
だけど愛したもののことを語ろうよ。

posted: mitsubako at <08:45AM>