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2005年07月31日
夕涼みの少女
小さな家の二階の窓辺に女の子がよりそって涼んでいました。
なにをするでもなく、考えるのでもなく、窓辺の風にあたっているのがいちばん居心地がよかったからです。黙っていても天体は動いてくれて夕闇の線が消えたころ、いちばん星が出るからです。そうするとコウモリの目がときおり光ったり、近所の猫の目が輝いたり、虫が光りの跡を描いたりするからです。
やがて、窓辺に銀色の糸が一本するすると垂れてきて、ここにも慕情を隠せない一匹の蜘蛛が風に揺られています。
ぐんと辺りが静まりかえったころ、木陰の森のむこうの方にずん、ずん、ずんと昇る月が見えてきました。まんまるに満ちたひときわ大きな月の光につつまれて女の子はにっこり微笑んでなげキッスを送ります。
どこからともなく優しいギターの音が今晩はエリック・サティを運んできました。
“bravo!”女の子はそう呟きました。
posted: mitsubako at <18:46PM>