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2006年01月26日

日曜日のこと

RIMG2560.jpg

澄んだ空気、路面は雪どけ水でぬるっとウェット。雨上がりの日の空気よりもっとあまい味がすると思いながら滑らないように日曜日の坂道を上がっていった。谷中M類栖邸の前で3人の顔がにこやかに迎えてくれる。わたしにとって初めて、デジタル一眼レフで撮影する方々と同行の1日がはじまった。

masaさんは谷中界隈を歩いて歩いて歩き回っている。だからまるで自分の町内のように体の中にこの街の地図が浸透している。街の片隅の小さな営みや消え去っていくものを叙情や情緒ということではなくて淡々と遊びの延長で記録化をしている。
なんと優しい方だろうとこの日の笑顔を見てそう思った。

nodocaさんはとにかく撮ることが大好きなのだろう。わたしの観察する限り、撮ってないようでいて撮っている、撮っているようでいてタバコをふかして公園のベンチでひとり休憩をしている、そんなさりげない、でもぬけめない人だった。

友人のm-louisは半住民のはずなのによそ者っぽくこの街を客観視しながらこれから時折この街の情景を収集していくのだろうか。考えてみれば、さまざまなプロジェクトを一緒にやっては来たものの、写真を一緒に撮り歩くなんてこれまで想像もしなかったことだ。

この日のわたしの撮影枚数はいつもの半分ぐらいで154枚。そのうちの38カットは削除した。残りの中でもこれと思うものはただの1枚もなかった。わたしは、何度も通いなれて、何時になるとあの花のあたりにみつばちが飛んできて、あのあたりは夕方のこのぐらいの時刻にこんな影が壁にうつるということを知り尽くしているところしか今まで撮影をしたことがなかった。だからわたしはあっちこっちにこんなものがある、あんなものがあるということをインプットするだけでどうやら頭が精一杯だった。

以前にこんなことを書いたのを思い出す。みつばちは自分の巣箱の位置と蜜源の位置を太陽との接点から正確にわり出して記憶している。新しく巣箱から飛び立つ働きばちは、記憶飛行というのをする。蜜を集めるわけでもなく、ただ巣箱の周りを集団で飛んでまわって帰ってくる。雪道を歩きながら、今日はわたしのその日みたいだと心の中で笑った。わたしは自分の撮りたいものがあらかじめイメージ化していて、そのイメージに近づけるように撮りたがるんだということがこの日わかった…。

上から下まで冬山登山の風貌で久しぶりの友だちに会いに、それから初めての友だちに会いに、谷中へ出かけた日のできごとだった…。

posted: mitsubako at <08:46AM>

comments:

冒頭の写真、まさにこの日的な感じがしてすごく好きです。
しかし、これと思う写真一枚もなしですか、、僕が撮った写真の中には mitsubakoさんがもう大満足って表情を浮かべてる写真があったのですが、やはり道中の会話にでもあったように撮ったときは最高って思ったものがそんなでもない(と同時にその逆もある)ってことだったんですかね〜。

しかし、「半住民」って言葉、「原住民」っぽくて気に入りました。いただきます(笑)

posted: m-louis on 2006年01月27日 15:25

m-louisさんの姿が見えたので僕も…(^^;
「これと思う写真一枚もない」とおっしゃってますが、それは、「くちなしの実」や「霜の降りた朝」の写真レベルで検品ライン(^^;を引いていらっしゃるからだと思います。ああいった写真は、そうは撮れませんよね~。でも、楽しい時間でした…。

posted: masa on 2006年01月28日 01:44

「撮ること=flickrで写真をシェアすること」になりつつあるnodocaです。
これは多少問題です。。

>自分の撮りたいものがあらかじめイメージ化していて、そのイメージに近づけるように撮りたがる

こんな僕でもそれと同じ事を思っていて、すごくうなずいてしまいました。
でもソレを越えるイメージが街にはまだまだあると信じて、
今日も街をうろついています。

また一緒に歩きましょうね。

posted: nodoca on 2006年01月28日 02:12

うわあ、コメントありがとうございます。めずらしく早いレスポンスです。
日常の風景をありのままに撮るということにまるで不慣れな自分を感じました。小間物ばかり撮っていて、「どこ」ということはまるでわからないものばかり…。自分の世界が強すぎるのかなぁなんて思ったりしました。実は、少しテンションが落ちていて「あ〜なんでだろう」と撮りためたものを見て思っていた時期だったので、こうして人と撮ってみるという経験を通して知ることの多い貴重な時間でした。
本当に楽しかったです。

posted: mitsubako on 2006年01月28日 02:21

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