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2008年06月28日

二通のメール

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先週末「ディスポジション 配置としての世界」のシンポジウムに行った翌日、遠野の徳吉敏江さんとぱくきょんみさんからメールが届いた。
遠野の徳吉敏江さんとは、ちょうど今から2年前ぐらいのこの時期に霧の高原を案内してもらったり、ふたりでぼんやり高原に座って馬や雲を見て風を感じるわずかな時間を一緒にすごした。intimateということばが英語にあるが、わたしは少なくともそんな近しさを心の中に持ったひとりだ。敏江さんはどう思っているかはわからないけれど一方的に。いつも会っているわけでもなく、頻繁に連絡をしあっているのでもなく、長い付き合いでもないけれど、そういう心の触れ合いを感じる人が時々いる。彼女はディスポジションに共感してメールをくれた。置かれている境遇はちがうにしても、わたしと同様に、このことばが切り開いてくれそうな予感に勇気づけられていることは確かだ。
きょんみさんのメールは岡崎さんからの転送メールだった。
「アリストテレス→イスラム→中世ヨーロッパと伝播し、中世ヨーロッパでもっとも美しい絵本として歴史的に名高い書物です。中世ヨーロッパのまさしく暮しの手帖。」
ということばと養蜂の挿絵が添付されていた。「TACUINUM SANITATIS」あまりの美しさとこういう好奇心への躍動感を与えてもらえることにポロリと涙の粒がこぼれた。すぐにこの本のことについて調べてみることにした。なにしろ養蜂のことが出ているんだから、いい本に違いない。奈良女子大学の文学部国際社会文化学科教授の山辺規子さんの解説をさっそく読んでみた。イスラムの医学者イブン・スィーナーの『医学典範』は中世から近世にかけて、ヨーロッパの大学医学部でもっとも基本的な医学書として用いられた。古代ギリシャやローマの
伝統的な医学を継承しインドの薬学などの知識を加え発展をしたイスラム医学は、中世の半ばにヨーロッパ地中海沿岸各地で受け入れられていった。こうした背景下にアラビア語で書かれた書物がラテン語に翻訳をされていったという。「TACUINUM SANITATIS」はその中の一冊であった。イブン・スィーナーは11世紀にバグダッドで医学を学び、健康のために役立つ食物などの情報をわかりやくす表にまとめた。いわば「健康表」と直訳される書物をつくり、健康に関するあらゆる知識がまとめられていたことから「健康全書」という名で呼ばれていたそうだ。このデータをもとにおそらく14世紀末、北イタリーで図版を中心とした写本がつくられることになった。神奈川共同出版販売というところに問い合わせをしてオーストリーのグラーツ大学でつくっている普及版をおかりすることができた。貴重な本でとても高価だ。おもしろいのは、文字ベースでまとめられた文献に別の時代と生活環境をてらして、あらたに別のご時勢に役立つ写本を再生した点だ。だから図版からはむしろ中世の生活が浮かび上がってくることになる。今後、山辺規子さんの本や文献もあたってみようと思っている。

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posted: mitsubako at <17:04PM>

comments:

intimateな、つながり、私も感じています。遠くにいて、こうして交信できるメディアの不思議の恩恵に感謝。それにしても、ご紹介されている本、美しいですね。もっと知りたいです。

posted: umako on 2008年06月30日 05:25

英語版を古本でみつけたので買いました。少しは意味がわかるのでおもしろいです。遠野の写真を少し引きのばしました。レストランに飾る予定です。

posted: mistubako on 2008年07月13日 10:11

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