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2007年08月11日
蜂場の臨場感

わたしは前日の晩から興奮のしどおしでなかなか眠りにつけなかたった。漸くうとうとしかけたのは午前2時をまわっていたから、この日の睡眠は1時間ちょっと。暑さに弱い自分の体力が持つのか不安だった。そんな心配をよそに、気温が32度以上あがる山のてっぺんで、炎天下の採蜜作業が幕を開けた。
大仕事にとりかかる前、蜂飼いたちが一服するタバコの煙は朝靄の中に収穫を予想させる希望の造形をもくもくと立ち表しては消えていく。燻炎器の口から漂う木くずのにおい、みつばちが醸しだすワックスや甘い蜂蜜のかおりが一緒くたになった蜂場を一体どう描写したらいいのだろう。ことばを失うほどにわたしに訴えかけてくるこの場所は、感性の源流がつまった何かとしかいいようがない。
もはや春のやさしい花影はなく、夏の草木に蔽われた蜂場は深い緑に囲まれて、蒸し返す空気とぎらぎらする光の中をみつばちたちがごうごうと唸っている。みつばちらが収穫した蜜を人間たちの手によってこれから横取りされる危機を鋭敏に察知した彼女らはやや殺気だっている。一方、採蜜に向かう人間は10や20は刺されることを覚悟して怒る彼女らと対面する緊迫感で精神のレベルは高潮していく。こんな瞬間に置かれたわたしはあえて冷静さを装って蜜蓋あけのナイフを握った。
*友人のnodocaさんにこの晴の日の舞台の写真を撮ってもらいました。早朝から忙しいなかかけつけてくれてみつばちに刺されながらも撮影をどうもありがとう。とても嬉しかったです。
posted: mitsubako at <23:49PM>