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2007年05月10日
浄められた夜
かつてウィーンに滞在中、イリ・キリヤン振付、シェーンベルクの「浄められた夜」を見たことがある。
音楽を鑑賞することから長い間離れている。物理的に音を聴く装置をなくしてしまったということもあるが、音を聴くことと同時並行でテキストを書くことは困難だし集中ができない。音はさもすると感情に訴えてきて、主観や感傷に陥りやすい条件をそろえてしまうからしばらく避けていたところもある。
レコードを片付けて捨てることにした。アナログのレコードのすばらしさは承知しているつもりだが、コンパクトで執着や固執しない生活を優先するならば、ここで別れを告げるのもいいかと思った。レコードとレコードの間にカンディンスキーと音楽を特集したニュースレターが見つかった。カンディンスキーはシェーンベルクと時を共にして抽象表現と無調音楽を科学による音楽と美術の解体から本能的に生きのびるためにリアクションを試みた。
カンディンスキーのコンポジションをイメージしながら、ふと文中にあるシェーンベルクの弦楽合奏作品4と弦楽四重奏第2番作品10を聴いてみることにした。運よくCDは手元にあった。その隣にJohn ZornのMusic for Childrenが並んでいて、どちらもパソコンの悪いスピーカーで聴くことにした。奇遇な音たちは日常のこうした連鎖をあたかも偶然性の一環として奇妙な冷気でかきまわしてくれることもある。
*ヘンリー・ダーガー展
posted: mitsubako at <07:01AM>
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