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2006年09月10日

フレンズ・オブ・カマクラ・台峯

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めずらしく、読んでいない本はたくさんあるのに、次に読みたいものがなんだかわからなくて本箱の前にぺたんと座ってしまうことがある。宇井純さんの『住民を結ぶ旅』をぱらぱらめくっていた。

「高度成長のもたらした精神的荒廃の一つは、私たちが自分の生活の存続を信じて疑わず、生存の基盤がくずれかかっても常にどこかの権威にたよって生きてゆけるのではないかと信じこんだ点にある。
地域住民の生活を、外から呼びこんだ大資本にたよって豊かにできるという図式も、外からの権威を呼んでそれにたよって運動が展開するという希望も、この点ではひとしく虚妄であり、幻想にすぎない。住民がその住んでいる地域で経済的にも精神的にも自立することの大切さを正面に押出した政治的な討論が、今こそ必要だろう。」

この序を読んだ翌日、2年前の秋、「フレンズ・オブ・カマクラ・台峯」の方々と鎌倉の台峯緑地を歩いた時の主催のおひとり、市川節子さんから郵便が届いた。
ハンノキのコンサートのお誘いだった。テーマは「自然に学ぶ」。パタゴニアでの自然保護活動のトークと薩摩琵琶の演奏会の二部構成で北鎌倉の円覚寺塔頭、白雲庵で催される。企業協賛はあるものの、市民運動でこの総面積約28haに値する緑地を開発事業から守りぬいて緑地保存が約束された土地だ。わたしは、久しぶりにコンサートへ行って市川さんにお会いしたり、お話を聞きたいと思っている。
*第7回ハンノキのコンサート
2006年9月17日(日)13:30開演
場所 北鎌倉 円覚寺塔頭 白雲庵 詳細やお問い合せはこちらから
以前の記録をつづくに転記しました。

(2004年11月に書いたものです。MTのアップグレードに失敗して旧blogは削除しました。テキストは残っていましたのでここに転記しておきます。)
台峯ウォーク
北鎌倉駅前の喧騒から逃れて間もなく800年も続いたといわれる水田の前に来ました。11月というのに、今日は少し歩いただけで長袖のシャツでは汗ばむほどの秋の1日です。「フレンズ オブ カマクラ 台峯」の方々、鎌倉Patagonia shopの方々、遠方では箱根や千葉からいらした参加者や小さいお友だちと台峯を散策しました。
鎌倉という地は私にとって馴染みの深い地でもあります。幼少期から週末はよく足を運びましたし、親戚や友人が住んでいて訪れることの多いところです。私の母が北鎌倉の円覚寺の山の上で育ったこともあって台峯(だいみね)という緑地名は耳にしていましたが一度も足を踏み入れたことがありませんでした。鎌倉の3大緑地で北鎌倉より西500mに広がる標高90mの尾根筋とその西側の倉久保の谷戸から形成されている総面積約28haに値する緑地だそうです。
この緑地内に山の地面からぽたりぽたりと絞り出されるように湧く水があり、それを利用した水田が以前にはたくさんあったそうです。今では、水田のなごりを残しつつも湿地として再生循環をしている豊かな野山です。「フレンズ オブ カマクラ 台峯」の市川さんをはじめ、多くの方々がここの植生や生態に詳しく、散策をしながら生き物のお話をたくさん教えて頂くことができました。
さあ、先ほどの水田からやがて、ちょっとした登りに入ると辺りはしゅんっと肌寒くなります。そしてちょろちょろと心地のよい水の流れが聞こえてくるのです。しばらく静かにじっと佇んで耳を傾けたくなるような、そんな音です。いよいよ舗装道から土の道を踏むことができると急に和らいだ気分になります。道幅は人が1人歩けるぐらいのシングルトラック。目についたところではムカゴなどの蔓性の植物、雑草と言われるメヒシバとかエノコログサ、低木のアオキなど見慣れた植物がうっそうと茂っています。細い道を歩いたかと思えば、ぱっと視界が開けたところに出たりもします。今日は晴天で、朝晩の気温差がこの辺りでも若干あるために日中の日射しは靄に包まれたような少し寂しい秋の光を帯びています。靄に、枯れはじめた草木が渋く味わい深い落ち着きをはなっています。徐々に下って谷戸へ向かうと、地面はぬかるみになり湿度を感じます。絞り水は確かな水脈によせあつめられて小川や池を形成していました。この水は生活排水が入りこまない、地表が絞り出した清水です。その中にセリの群生をみつけました。瑞々しい緑が落ち葉の中に調和して自生しています。シイの実を踏みました。ふっと、頭上を見上げれば、ヤマサンショウの実がすずなりで、ほのかな甘みを薫製にしたような独特の香りがただよっていました。それから光の中にまっすぐ空に向かって伸びるハンノキを見ました。
台峯を先導してくださった、野鳥の会の池さんは素敵です。長靴でどこでも入り込んでちょっとした生態の変化をとらえてしまうのです。流水のそばでシジミ、ツブガイ、ヨシノボリ、ヤゴ数種をすくって観察容器に入れて見せてくれました。すくった水の中に目に見える微生物もたくさん入っていていかに多くのものたちが生息しているかを気づかせてもらいました。私はここでオニヤンマのヤゴに出会えたことが嬉しくてしばらくはその豪快な動きに目が離せませんでした。成虫になるまでに4年もの年月がかかるというのです。
1日、太陽の光を体に浴びて人間とは違う時間軸で生の営みを続けているものたちを知ることが、少し大げさな言い方ですが私の人生に驚きや喜びを与えてくれます。自然の技を巧みに利用し、利用されつつ暮らした先人たちの感性がこの場にいると、不思議と私の本能を刺激するかのようです。
季節のめぐりによって台峯は違った表情を見せてくれると市川さんをはじめリピーターの方々も語っておられました。
東京周辺の近郊から約1時間半、身近で、なんでもなかったかのように当たり前にあるような忘れ去られた緑地。そんなところに豊かな地球を支える働きがなされているのだと思います。
「フレンズ オブ カマクラ 台峯」では毎月台峯ウォークを行っています。詳細はこちらをご覧になられるといいと思います。また、ひっそりと散策に行こうと思います。

posted: mitsubako at <07:39AM>