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2006年08月14日

鬼灯(ほおずき)

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「お盆」とは幼少の頃から無縁に等しかったわたしは、この時期がくると街の花屋の店先にならぶ仏壇用の花とか、精霊馬、蝋燭などを見かけると、ちょっぴり陰気くさいなと感じていた。たった一度だけ、四国の小さな小さな島で父方の祖母のおそらく新盆に、長い時間船に乗って連れて行かされたことがある。その島はまだ当時土葬で、暗い早朝からたたき起こされ、提灯を手に墓場へ歩いて行ったり、浜辺で土葬の故人の霊を祀る儀式があったような記憶がある。まだ幼稚園児だったわたしには、それは暗い真夏の怖くて眠い思い出でしかなかった。でも、不思議と提灯の明かりに白く浮かび上がる浴衣姿の人々だけは、心の中で他のなにかのイメージとごちゃまぜの残像となって、いまだに美しささえ覚える。
宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』の話しに出てくるからすうりの灯りをわたしは長いこと、鬼灯だと思っていた。自分がお盆のころに見たあの朱の強烈な灯りが、そっくりからすうりとすり替わっていたのだ。
亡き人の魂を馬のような速さで迎え、今度はゆっくりと牛のような遅さで見送る。精霊が闇夜で提灯をともせるようにと鬼灯を飾る。
こんなことを考えていた時、一枚の鮮明な絵はがきが手元に届いた。

posted: mitsubako at <07:56AM>