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2006年06月16日

青の気配

わたしは今、デジタルの青色写真にちょっぴり凝っている。
サイアノタイプという古典的な技法があって、1842年イギリスのジョン・ハーシェルによるそれは発明だったという。ジョン・ハーシェルは天文学者で、南アフリカにわたり喜望峰で南の星空を観測し記録を残した人物だった。青写真ということばがあるけれど、もともとはこのサイノアタイプという技法から転じた意味をもつ。感光剤を塗った原紙の上に写し出したいものをのせて露光させる。薬品を洗い流し乾かすと、光を通した部分は濃い青色に、光を通さない部分は白く痕跡が残るいたってシンプルな方法だ。
アンナ・アトキンスという女性写真家はこの手法で "British Algae : Cyanotype Impressions" 『イギリスの藻 : サイアノタイプの刻印』というカタログ集を出版した。

Blue Prints The Natural World In Cyanotype Photographs という洋書はおそらく多くの方が知っているものだが、わたしはこの本の中のとくにとんぼの羽が好きだ。多彩色のイメージも楽しいけれど、青という1色の淡さや深さは神秘な空気を取り込む魔法がある。
最近、枯れた花びらや、虫、ひもなどをくもりガラスにあてて、射しこむ光に透かしてマクロ撮影するのがおもしろい。青で仕上げるとまるで深海のようにも見えたり、ひっそりと静まりかえったなにかをとらえていたりする。そのなにかをわたしはとりあえず今は気配ということばにおきかえている。

posted: mitsubako at <07:05AM>