« 錆 | « Go to main page | たとえ紙切れだったとしても… »

2006年05月25日

心と心をつなぐ空

「MURAKAMIの作品が好きか?」なにかの機会で海外の人と話すことがあると話題になるのが村上春樹。実はわたしはまだ一冊も手にしたことがないのだ。
そして…日本人というとMURAKAMIを話題にされることにもヘソまがりなわたしは何くわぬ顔をして「読んでないよ!」といいたくなる困りものだったりする。
村上春樹がどうこうということではなくて、典型とされることがただ苦手なのだ。

.Home Is Where The Heart Is.
これは、ケンブリッジに住むイギリスの友だちが自分の作品につけたタイトルだ。広大な草原にいるはずもない後ろ姿の舞妓が遠方の流れゆく雲を見つめている。
わたしはこれに絶句した。日本を訪れたことがあって、日本が好きで好きでたまらない彼の気持ちがちょっぴり共感できるからだ。
自分が訪れた旅先とはいいも悪いもいつの間にか心の中でその後の自分の体験と照らしあわせて温められていくことがある。最近、彼は村上の作品を読んでいるという。
初めは少し勘違いした日本好きかなと思っていたが、まさにわたしが相手に逆にステレオタイプをあてはめていたのだ気づいた瞬間だった。
人の心とか気持ちとかはそんなにすぐには見えないね。

many things in life are not as they first appear
そえられたこのことばにわたしはちょっと涙した。

心と心をつなぐ空は青いけれど寂しくって、見つめる背中は近いけど雲は遠い…。
わたしは祖母が着ていた浴衣をはおって、風の吹く南端の草原にたたずみ雲をぼんやり見ている自分の絵を心にずっとおもい描いていたから、ことさらあのイメージはデジャブだった。
久しぶりに胸がきゅんとする気持ちになった。

posted: mitsubako at <07:33AM>