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2006年05月15日
針穴と心象
針穴写真は人の心の目といわれる。のらりくらりとそれを楽しんで少し時が経った。
わたしは市販のポラロイド社のものを使っている。やり始めた頃は、本当にこんなもので何が撮れるのかと疑心暗鬼だった。失敗に失敗をかさね、露光時間が長すぎて真っ白のまま出てくる。フィルム代はかかるしおもちゃにしてはかなり高価な遊びだなぁとちょっぴりストレスすら感じるようになっていた。それでもなんとなく持ち出してみてはブレのおもしろさに惹かれて細々と続けていた。ある時ちょっとばかり抽象らしきものが撮れて意表をついた。
箱を固定することにあえて執着していなかったわたしは、急の気変りで地面に固定して撮るようになった。あきらかにブレの少ない遠近感が不思議な風景が焼きつけられるようになってきた。
もうあれからどれぐらい、わたしは針穴の指をはずしたんだろう……。
このごろ、わたしの目がこの針穴のファインダーになってきたと感じる。見えていないはずなのに、フィルムをはがした時に浮かびあがる風景が心にイメージできるからだ。
5月の連休のほんの2日だけわたしは、突然、再び岩手県のタイマグラへ向かった。針穴がつかんだ村々の風景は、そこにかつてあったはずの気配をまるでそのまま取り込む装置だと思った。
戻ってから夜中に怖い夢でうなされた。取り残された場を撮りすぎて余計なものまでつれかえったかなと思った。
posted: mitsubako at <07:46AM>