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2006年02月16日

白の断片

ガラスケースの向こう側に白い四角い一冊の本がある
彼女の視線は決してそれを見逃さなかった
「手にとって見せてください」

<…>

『白の断片』を手渡してくれた女性はこういった
「読むとき強く開きすぎないように注意してください」っと

彼女はそんな声も耳に入らずていねいに項をめくるその白い手がぴんとはりつめていた

白い余白に一切の無駄なことばはなく消尽に消尽しつくされた一色
詩に建築があるとすれば白いフレームの四角い箱を構成する文字の詩(うた)が置かれている
そのすきまに射し込む光はない
いっさいの装飾をぬぐいさった昇華した白い一室
がらんとした白の均質空間に凛とひびく空気の音だけが壁にあたって反射する

彼女の求めるものがこの白いキューブに凝縮されつくされていた

覚え書きには北園克衛と印されていた

*わたしは北園克衛の世界に魅了されています。わたしとこの本は身近にはありませんが出会いはこんなことからでした。これから何度もテキストを読もうと思います。

posted: mitsubako at <07:57AM>