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2006年02月14日
カーニバルのカージオイド

街や通りのいたるところにカーニバルがやって来た。
赤い声を出す人 赤い顔の人 赤いドレスの人 赤い仮面の人。
どこもかしこも酔いしれた人々の熱気でごったがえす。
赤と白のフリルがたくさんついた帽子の女の子がぼくのことを見ていた。
ぼくは女の子に笑いかけた。
女の子がぼくの方へ近づいて来てカージオイドの白い貝を見せてくれた。
「ハートの形?」ぼくが聞くと女の子は首を大きく横にふって「違うわ
心臓よ」と答えた。それからぼくの心臓にその貝を押し当てた。
ぼくの心臓の鼓動と女の子の脈打つ手首が微妙にずれてカージオイドは本物の
心臓のようにぴくぴくと動いた。
肌を露出して陽気にリズムを刻む女たちが押し寄せて来た。
そのうちの一人が女の子にぶつかる。
真っ白のカージオイドはぼくの心臓からすり落ちて地面の上で粉々に砕けた。
ぼくはかけらを拾おうと夢中になったけれど、次から次ぎへと押し寄せてくる
人波で遠ざかり、やがてかけらは踏み砕かれて見えなくなった。
もうそこに女の子の姿はなかった。
ぼくのカーニバルはいつの日よりも悲しい一日だった。
posted: mitsubako at <07:50AM>