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2006年01月30日

『ハチヤさんの旅』

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先週1週間、通勤で一緒だった本です。
沢木耕太郎さんが転地養蜂家の1年を追ったこの絵本はわたしにとってはまぼろしの絵本でなかなか手にすることができずにいたものでした。
イメージとしての養蜂はおそらくこうした転地養蜂の方が多いのですが、今ではこうした方法で養蜂をする方はとても減っています。このジプシー的な生活は、やったことのないわたしにしてみれば夢のような理想型に近い感覚を覚えますし敬服するばかりです。
わたしがお世話になっているハチヤさんは定置養蜂家です。昨日、電話で少しお話をしてみて初めて若い頃のことを知りました。まだ、湘南に西湘バイパスができていない頃、石ころの転がる道をミゼットに蜂箱を乗せて松田のみかん畑まで運んでいたそうです。
今、在る姿は長い時間をかけてあちこちの養蜂を見られてたどりついた形なんだということを知りました。
ところで、先日の雪でみつばちのことが心配だったので質問をしてみました。
「巣箱の中でお腹がいっぱいになるから、蜜や花粉をとりには行かないけどね、30分ぐらいは運動をしに外を雪の中でも飛んでいますよ」
うわぁ、雪の中を飛ぶみつばちの光景…とても見たかったです。

そして、冬の間みつばちになかなか出会えないでいるわたしにぴったりの絵本をくださった友だちに心から「ありがとう」を送ります!

月刊たくさんのふしぎ 『ハチヤさんの旅』沢木耕太郎/内藤利朗 1987年5月号 福音館書店

posted: mitsubako: on 07:16AM

2006年01月26日

日曜日のこと

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澄んだ空気、路面は雪どけ水でぬるっとウェット。雨上がりの日の空気よりもっとあまい味がすると思いながら滑らないように日曜日の坂道を上がっていった。谷中M類栖邸の前で3人の顔がにこやかに迎えてくれる。わたしにとって初めて、デジタル一眼レフで撮影する方々と同行の1日がはじまった。

masaさんは谷中界隈を歩いて歩いて歩き回っている。だからまるで自分の町内のように体の中にこの街の地図が浸透している。街の片隅の小さな営みや消え去っていくものを叙情や情緒ということではなくて淡々と遊びの延長で記録化をしている。
なんと優しい方だろうとこの日の笑顔を見てそう思った。

nodocaさんはとにかく撮ることが大好きなのだろう。わたしの観察する限り、撮ってないようでいて撮っている、撮っているようでいてタバコをふかして公園のベンチでひとり休憩をしている、そんなさりげない、でもぬけめない人だった。

友人のm-louisは半住民のはずなのによそ者っぽくこの街を客観視しながらこれから時折この街の情景を収集していくのだろうか。考えてみれば、さまざまなプロジェクトを一緒にやっては来たものの、写真を一緒に撮り歩くなんてこれまで想像もしなかったことだ。

この日のわたしの撮影枚数はいつもの半分ぐらいで154枚。そのうちの38カットは削除した。残りの中でもこれと思うものはただの1枚もなかった。わたしは、何度も通いなれて、何時になるとあの花のあたりにみつばちが飛んできて、あのあたりは夕方のこのぐらいの時刻にこんな影が壁にうつるということを知り尽くしているところしか今まで撮影をしたことがなかった。だからわたしはあっちこっちにこんなものがある、あんなものがあるということをインプットするだけでどうやら頭が精一杯だった。

以前にこんなことを書いたのを思い出す。みつばちは自分の巣箱の位置と蜜源の位置を太陽との接点から正確にわり出して記憶している。新しく巣箱から飛び立つ働きばちは、記憶飛行というのをする。蜜を集めるわけでもなく、ただ巣箱の周りを集団で飛んでまわって帰ってくる。雪道を歩きながら、今日はわたしのその日みたいだと心の中で笑った。わたしは自分の撮りたいものがあらかじめイメージ化していて、そのイメージに近づけるように撮りたがるんだということがこの日わかった…。

上から下まで冬山登山の風貌で久しぶりの友だちに会いに、それから初めての友だちに会いに、谷中へ出かけた日のできごとだった…。

posted: mitsubako: on 08:46AM | comments (4)

2006年01月23日

ゆきの日の犬

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1月22日、太平洋側、わたしの住んでいる街にもゆきがふったよ。
ゆきの野原へ出かけて行って おもいっきり転がってみようと思った。
見ているときより触ってみるとずっとずっと水をたくさん含んだ重たいゆきだった。

野原でころがったりぺたんと座っていられるのはよそのだれかの犬だけだった。

*北陸、東北にかけては記録的な豪雪がつづいていると聞いています。いつだったか自転車で訪れた津南も大雪で隔離状態の地域があるといいます。あれだけ深い山、閑散とした地域だっただけに想像を絶する危機的状況にあるのではないかと思います。
どうか無事にみなさんが過ごせていますようにと無力なわたしは心のなかで祈るばかりです。

posted: mitsubako: on 07:32AM

2006年01月20日

プンタアレナス(Punta Arenas)

南緯53度10分、砂の岬という名をもつ街プンタアレナス。
地球の反対側のマゼラン海峡から吹き荒れる潮風に、塗っても塗っても褪色をくりかえす家並がみえる。風化した錆びの味わいは、いつだって愁いを帯びてひっそりとしている。
開けられないカーテンの窓、継ぎ足されたトタン屋根、その先にぽつんと1本の電柱が立っている。
ここは人影のない、寂しい土地、人が恋しくなるところと風がささやいた。

『あるいは たぐい希なき感性の投影…… 気づかぬ詩人へ』

posted: mitsubako: on 07:18AM

2006年01月18日

婦人之友

母が兼ねてから購読を続けている雑誌に『婦人之友』がある。もう何十年と読み続け、変わらない価値観のようなものに共感をしているようだ。わたしは婦人ではないけれど、ある日、母はこの人のところへ行ったのかしら?と雑誌を机に置いていった。
2006年2月号 座談会「冬ごもりの中で育つもの」に登山家の田部井淳子さん、編集者の渡部和さんと奥畑充幸さんの顔があった。そう、あの岩手のフィールド・ノートでお世話になった奥畑さんだった。
田部井さんは福島出身、渡辺さんは福島の方と結婚をされて伝統工芸のからむし織りをされたりしている。共通の話題は、長い冬だった。1年の約半分を雪や厳寒に見舞われる地域での暮らしと人の関係を語り合ったものだった。
寒くなった時よりは、その兆しがあらわれる頃が一番つらいと誰もが言う。体が自然現象から記憶した「またあの寒さがやって来る」と知らせを受けるからだ。そんなことを「てわっさ」の季節、気がもめると言うのだそうだ。
ゴールデンウィークにタイマグラを訪ねて、夜、薪ストーブに当たりながら毎晩、奥畑さんや陽子さんから伺ったお話がかいつまんで書かれているのを、うんうんと頷きながら読み進めた。冬は、じーっとストーブの回りで過ごす……ほとんど動かないと笑顔で話す陽子さんのことを思い出した。今は丁度その冬ごもりの頃。人は陽気が良い時期には体を使って労働をし、寒くなれば体をやすめる。じっくりとわたしを見つめながら春を待つ。こうした感覚を本来、人は持ち合わせていた。
わたしは、それほど暑くもなく、それほど寒くもない適温の中で暮らしているけれど、でも体のどこかでその人間の長い記憶がまだ生きているような気がして、うずうずしたりわくわくしたりしている。

posted: mitsubako: on 07:01AM | comments (2)

2006年01月16日

雪の巣箱

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岩手の横沢村から雪の中のみつばちの巣箱の写真が届きました。
こんなに降り積もる雪の中でもみつばちたちは巣箱の中で生きているそうです。
横澤隆雄さんはこんな風にお手紙に書いています。
「…巣箱の口に耳を近づけるとゴーッというみつばちの生を感じとることができます。その音を聞きながら、この箱も大丈夫、こっちの箱も大丈夫!!と雪の中を歩き回る毎日です。……」


生命力とはどんなに小さなものの中にも宿っていると力強く感じた瞬間です。
横澤さんすばらしいお写真とお手紙をありがとうございました。とても嬉しかったです。

posted: mitsubako: on 07:04AM | comments (0)

2006年01月12日

くちなしの実

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何度となく場所を移されても毎年ひとえの白い花を咲かせるくちなし。
その花を見ると ああ、白い十字架 と思う。

昨年、いつもよりたくさんの実がなった。
「生前の形見」で書いた伯父からもらった机は今ではすっかりわたしの創作の場に落ちついている。この上で写真を撮るのも好きだし、ここでペンをもって紙に書くのも好きだ。何もしないでひじをついてぼんやり机の傷やしみを見ているのも好きだ。

それで、くちなしの実をここに並べてみた。

posted: mitsubako: on 08:04AM | comments (2)

2006年01月10日

霜の降りた朝

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冬の雨が降った翌朝、少しだけ早起きをしてもうとっくに止んだはずの雨なのに長靴をはいて出かけた。いつもなら見過ごすはずの草むらが朝日を浴びて浮き立っていた。

posted: mitsubako: on 07:00AM | comments (2)

2006年01月05日

いつもの休日のように

少しの休息をしました。
いつになく寒い新年、雨上がりの水たまりや水滴を追いかけたり
朝靄に白く光る霜の草原を散歩していつもと同じにようにあれこれと
考えを巡らす日々でした。
一匹、植木鉢に飛んできたみつばちを見かけました。
さぁ、今年もはじまりです。

posted: mitsubako: on 06:55AM