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2005年11月11日

久しぶりのおしゃべり

R0010004.JPG*2004年11月27日のblogから
2年ぶりだろうか、P3ギャラリーの伊藤忍さんと、久しぶりにお昼を食べながら、午後のひと時おしゃべりをたくさんしたのは。忍さんとは四谷の東長寺内にP3があった頃からの友人で、私はその時、現代美術のひとつの大きなイベントを抱えていてP3には大変にお世話になっていた。アートと環境を視点に置いて様々な現代美術作家との展開を試みていたP3では、『SURVIVAL GUIDE』で知られるボスニアのFAMAというアーティストグループをはじめインゴ・ギュンター、蔡國強などと画期的な展覧会企画を行っていた。
忍さんとはプライベートで頻繁に遊ぶことはあまりない。けれども、時おり会って話しをすると、その間の空白は不思議と何もなかったかのように自然と打ち解けて、話し合える大切な友人のひとりだ。多忙で、しっかりとアートマネージメントの仕事をしていて、どこにも角がなく、本当に素敵な女性だ。忍さんに会うと、「慌てない、焦らない」っとゆったりしたマイペースを取り戻せたりする。今、私は仕事がピーク状態なのに、なぜか、忍さんにどうしても会いたくて、今日はそれが叶ってとても嬉しかった。そして、なぜそんなに「今」会いたかったのか話しをしているうちにわかってくるのだった。

今まで、お互いの家族の話などした事がなかったが、今日は、忍さんのお母さんが秋田の出身で、家庭科の先生をやっていたことを聞きいた。秋田と聞いただけで、私の頭の中には豊かな食文化圏が浮かび、秋田の白玉粉の話しやパンを焼く時の粉の話しをした。家庭科の先生だったお母さんは食べ物に関してとてもうるさかったという。それは決して洒落た食事ではなくて、体と心にバランスを保つ栄養をよく気をつけてくれた真心が感じられるいい話しだった。なるほど、こうして食べ物に気をつけて育てられた忍さんだから、どこか和む温かさがあるのだなと感じたのだ。
それから話題は少しP3のことになった。P3には、秘物が置かれている。ジョージ・ダイソンのバイダルカが数隻眠っているのだ。このバイダルカ、もともとは人さまからのお預かりものだったそうだが、所有がこの度P3に渡ったそうだ。何度か見せて頂いたことのある美しい船だ。これで、海にぽっかりと浮かぶことができたら、自分はきっと地球の母胎の中にいると感じるはず。そして、幻とも言われるバイダルカを現在売りに出している。忍さんは、本当に使ってくれる人のもとにこのバイダルカが渡ってくれると嬉しいと話していた。ミクロネシアでスターナビゲーションを学んだ石川直樹さんが、もしかするとバンクーバー島の南端からアラスカのグレイシャー湾に至る「沿岸水路」の海域を、このどれかのバイダルカで渡るかもしれないと話していた。そんなことが実現したら、私はその旅の記録を是非、読んでみたいと思う。バイダルカについて詳しくお知りになりたい方はP3代表の芹沢高志さんが翻訳をされた『宇宙船とカヌー』(ケネス・ブラウワー著、ちくま文庫)をお読みいただくと面白いと思う。そして、もちろん最近新しくなったP3のサイトもご覧下さい。バイダルカは当初、130万円ほどで販売をする予定だったようだが、P3では信じられないほどの価格での販売が可能なよう。
このあとはひとしきり私の養蜂園観察の話しを聞いてもらい、現代社会では見えにくくなってしまったり、封じられてしまった自然界の人間の感覚や感性、身体機能などの話しに盛り上がった。
忍さんには遠野で田舎暮らしをしている友人がいる。質実剛健な生活をしているという。早池峰山を目の前に広がる田畑にポニーがゆったり歩いて、老人が朝から日が暮れるまで、草取りをしている牧歌的な風景に心を打たれたという。きれいだ、美しいということだけではなくて、何でもないような風景の中に自給自足をまかなうための家族や家畜の役割があって自然の営みに融合しているのだと。
「みつばこちゃんもみつばちを飼いに遠野に行く?」っと忍さんにさそわれて、とても行きたいと思っている。それほど遠くならない日に遠野を訪れる機会があるような気がしている。
こうして、忍さんと話した後の私はなんとも言えない豊かな心持ちになって元気に月の夜道を歩いて帰っていった。切手の写真は、2年前に忍さんがブータンの旅をした時に頂いたおみやげだ。

わたしが岩手にふたたび出かけるひとつのきっかけは、こんなおしゃべりからはじまった…。

posted: mitsubako at <09:36AM>

comments:

しのちゃんに会ったんだね。バイダルカのことも、馬のことも、ミツバチのことも、心のなかでは、みーんな、なにかが共通する、ひとつの大事な、あることです。きっと、なにかがつながっているんだ。読んでいてそんな思いになりました。ありがとう。しのちゃんによろしくね。

posted: toku on 2005年11月12日 18:13

会うにはあったのですが、1年前のことなんです。ちょっとづつ、昔書いたものを移植しています。

そうですね、なにかつながっているのですね。忍さんには、落ちついたらまた連絡してみますね。

posted: mitsubako on 2005年11月14日 23:41

ごめんなさい。頭をちゃんと読んでなくて。時間のズレを感じて不思議でした。1年前のカレンダーを行き来できるのってすごいなあ。

posted: toku on 2005年11月15日 22:58

わたしの考えることなんて、そうそうすぐに変わってしまうものでもなくて、同じころになると同じようなことを思ったり思い出したり…。そこに少しだけもしかすると新しいことが添えられるのかなと思い、こういうnoteに切り替えています。もともとはblogのパブリッシュ画面を壊したことからはじまったんです…(笑)

posted: mitsubako on 2005年11月16日 07:49

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