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2005年08月29日
キラの話し
どろんとした大きな瞳。時々白目で見つめるよ。体の毛は白くて灰色のぶちがある。それがキラ。
キラは10年生きた。
ある日男はいつものように歌をくちずさんだ。
女は待っていて、男が歌を歌ってやって来るのが好きだから。
でも、この日だけはいつもとちがった。
「嬉しいわ!その歌、大好きよ」のかわりに、女の目から涙が溢れていつまでも止まらなかった。キラがいて、男と家族のように一緒に過ごした1年が蘇ってきたからだ。まるでその日々を詩にしたような歌だったから。
どうしても、どうしても女の涙は止まらず、鼻の頭が赤くなるまで泣いていた。
愛おしいもののために詩を歌い 今はもういないキラに涙。
ある国のある日常のできごと。
泣いても泣いても、もう帰ってはこない。
だけど愛したもののことを語ろうよ。
posted: mitsubako: on 08:45AM
2005年08月13日
スタイル
若いということはそれだけで美しい
そう思えるのはもしかしたら実に自分が歳を重ねてから気がつくのかもしれない。
わたしを振りかえると、当時の自分は理想に燃えて、先がとてもつもなく長い人生を重く感じていたように思う。わたしのことだけで精一杯。憧れのあの人この人の生き方をスタイルで模倣してみて模索して。余裕がなくていつも何かを追っかけて走っていた。
30代に入ってからのわたしはその中から少しだけ取捨選択をしてわたしの路線を築きはじめたくなった。膨大な情報の中に生きていながら、わたしには余分だと思うこと、思うものを徐々に削ってできるだけミニマムにして行こうと決めた。
精神性という意味で多大な影響をいただいた方々の色を捨てて、もう一度わたし自身のこととして消化し、時代や流行すたりに流されない「らしさ」を見つけてきた。
今、ゆっくりと迷いながらも時間をかけて温めてきたものが、やわらかに人と共有できるスピリットになりつつある。手にとるように、少数だけれど、分かち合える人々が世界にいると実感できるようになった。
これからのわたしはもう追っかけすぎたり、走ったりしないで、ていねいにことがらと向き合っていこうと思っている。
太陽が昇って沈むまで1日の人のできることはそんなに多忙ではないはずだ。冷静に自分を客観視できる孤独なひとりの時間をしっかりと持つ。浮かれた饗宴まがいの世界観にはもう関心はほとんどない。
スタイルにとらわれず、わたしの熟成の道を歩めばそれでいいと思うから。
posted: mitsubako: on 18:35PM