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2005年07月19日
ある家族の残像
裸ん坊の女の子がお父さんとお母さんと手と手をつないで真ん中に、夕暮れの海のお散歩。
空も 雲も 砂浜も じっとしている岩も 打ちよせる波も 浜辺に咲き乱れるカンナの群生も夕刻色にどんどん染まっていく。潮が満ちてきて、ぼーっと立ちつくすわたしたちをすい込むよ。不透明で不純物がつまった海水が どどん としぶきをあげて打ってくる。
砂浜はきらきら焼きついたオレンジに輝きだして、波の跡を残しては消え、残しては消えている。
裸ん坊の女の子はしっかりと砂浜に足をつけて、どんどんどんって跳ねてみる。お父さんもやってみる。それからお父さんは白い泡の波に向かっていった。
やさしいロングスカートの裾をもったお母さんと女の子は手をつなぎながら波際をしばらく歩いていた。体を海に浸したお父さんは、今度は女の子をだっこして少しだけ大きな波に体を触れさせてあげたよ。女の子は大喜びの笑い顔。
お父さんと女の子が砂浜で夕日色になって遊んでいるころ、お母さんは波の中に足を入れはじめた。ひざまでつかっているうちに、波しぶきでスカートが濡れる。お母さんは体全体で海を感じはじめた。
わたしたちは、この光景の瞬間を見逃してはいなかった。そしてひとりの美しい女性の姿をそこに見た。
帰るころにはわたしたちはこの家族の光景がとても好きになっていた。
posted: mitsubako at <18:59PM>