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2005年07月15日

赤い砂

R0010005.JPGカチーナドールに憧れて、厚紙で動くカチーナを2つ作ってダンスのコマドリをして遊んだことがあります。そのタイトルが『赤い砂』。
カチーナ信仰はプエブロ・インディオが主に雨の精霊を呼ぶ儀式としてアメリカ先住民の間に起源したものといわれています。なかでもとりわけホピ族の神話や人形についての考古学的な研究は1870年代末にかけて発見され、その後、西洋の芸術家や詩人たちに大きな影響を与えてきました。
今日は作家ホルスト・アンテスが収集をしていた中から79点のカチーナ・ドールを神奈川県立近代美術館葉山に見に行きました。カチーナドールはハヒロハコヤナギの根の部分を原木としていて、ボディを彫ってから、赤土色や黒や緑など鮮やかな色どりに着色をして羽根や布、植物で飾られています。アニメーションの原形と同じようにその象ったものに息吹を吹き込むと精霊がやどり守護神の象徴となるものです。ズニ族のカチーナも陳列されていました。彼らのカチーナは両腕が動くように作られているのだそうです。
ホピの世界観は、上方に生を営むもの、下方に死後の世界とふたつで構成されていて、調和が保たれることが理想とされてきました。けれども人間の悪い行いで混乱が起き、フィリップ・グラスの作品ともなった調和なき世界=コヤニスカッティとなってしまったのです。守護神は人間に太陽と月を与え、トウモロコシの栽培を教えました。形状や色の異なるトウモロコシの実を選ぶことで、言語が異なる種族が生まれて、ホピ族は短いトウモロコシを選び簡素で平穏な生活を営むことになったという伝承があるそうです。
カチーナの中にはまるで、秋田のナマハゲのような役割のものがありました。そしてもうひとつおもしろかったのは、ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじのような形状をしたカチーナがあって「アヤカチーナ」というのです。Ayaは発芽や発育というような意味合いがあるようで4月ごろの儀式でかけっこをするカチーナなのだそうです。肝心のホルスト・アンテスの作品よりは、カチーナドールに魅せられて去りがたい展覧会でした。
わたしがカチーナドールを知ったきっかけは亡くなられた猪熊弦一郎さんのおもちゃ箱。そしてサンフランシスコでZUNI Cafeというのがあったはずで、ZUNIという音とか文字の並びが印象的で調べたらズニ族のことだったという記憶があります。
思いがけない遠い記憶がこうしていつか出会って線になる、そんな今日でした。

posted: mitsubako at <18:49PM>