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2004年11月24日
蜂のこと その14
●スロベニアの養蜂

スロベニア共和国はこれまであまり身近に感じたことのない国でした。地図上どこに位置するのかもおぼろげだし、どこから独立したのかも曖昧だったりします。恥ずかしいことです。旧ユーゴスラビアからの独立国で、隣接する国はイタリア、オーストリア、ハンガリー、クロアチア。クロアチア以外は1度訪れたことのある国で、そう思うと少し親近感もわいて来るし、なんとなく文化圏の想像がつくような気がしてきます。
このスロベニアでは国民1000人のうち4人が養蜂家だといいますから立派な養蜂国なのです。Franc Sivicさんは花とみつばちやスロベニアに伝統的に伝わる蜂の巣箱などを写真に撮っている人です。2003年にこのスロベニアの首都リュブリャナでApimondia2003(国際養蜂会議)が開催され、カタログとして販売されていた本を、お願いしてSivicさんに送ってもらいました。ページをめくるとリュブリャナの写真が目に映りこみます。山頂に残雪の残る美しいアルプスに囲まれた街だとひと目見て思いました。そうして次々に写真を見ていくと、牧歌的で平穏な山村の田舎にいろどりの鮮やかなかわいらしい木製の蜂小屋がいくつも紹介されています。まるでおとぎ話のような世界です。きっと厳しい寒さの冬を越して、春が訪れた時、どんなにか明るく、澄みわたる、楽しげな場所なのだろうと思います。
蜂小屋には冬を乗り越えるために、そして夏の暑さから守るために、巣箱をタンスの引き出しのように積み重ねてあります。そして、赤、青、黄、緑などにペイントされていて、中には昔話のシーンを描いたものまであります。この地方に伝わる伝統的な木箱と蜂小屋のようです。こんなものが、果樹園の中に置かれているのですから夢のように美しいことでしょう。この木造の長方形で前と後ろから開ける巣箱をカーニオランと呼ぶのだそうです。
Sivicさんによれば、この民芸調の絵画は18世紀の中頃「巣門飾り絵画」として、この時代にスロベニアで開花したものだといいます。当時はオーストリア・ハンガリー帝国に含まれていた地域で、このどことなくチロル風というのか、あるいは農民田園的な絵画はなんとなく、スイスでよく目にする可愛らしい牛や花のモチーフに類似するものを感じます。これは、私の想像だけれど、おそらくスイスのアルプス地方でもきっと目にすることができるのではないかと思うのです。
資料提供:玉川大学ミツバチ科学研究施設
『ミツバチ科学(HONEYBEE SCIENCE)』2002 VOL.23 No.3 p123-126、スロベニアの養蜂 Franc Sivic
カタログ:LIVING WITH BEES / Franc Sivic
posted: mitsubako at <22:58PM>