年の終りに、

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「2011年」は誰にとっても忘れることのできない出来ごとが起きてしまった。3月のあの日を境にして、それ「以前」とそれ「以降」は大きく異なる。それから、年の瀬に親しい友人を亡くした。本来なら心が空洞化してしまいそうなのだが、わたしは意外にしっかりと前を向いていると思う。たくさんのことを感覚的に読み取り、思考は回路のなかで溢れ出しそうなのだが、「慌てずに、冷静に」と見守ってくれる広大な宇宙がイメージできている。自然の掟を少しでも知っていれば、正も負もどちらもなくてはならないことで、それによって有機的な微妙な関係が生まれることが理解できる。その瞬間は負の技が働いていると思っていても、宇宙スケールで考えてみれば、やがては正の方向が働くための鍵ではないかとさえ感じることがある。
12月のはじめに自然のながれで被災地や宮澤賢治の足跡が残る岩手県を訪問した。今年ほど、賢治の童話を読み返したり、詩集を引っぱり出した年もないと思っていた。その矢先に、菅啓次郎さんが、古川日出男さんと「春と修羅」、「銀河鉄道の夜」の朗読会をすると知って、引き寄せられるように会場へ急いだ。まるで誰かがわたしにそういうシナリオの一年を描いてくれたのではないかと思うほど、感謝でいっぱいの年の終りの締めくくりとなった。年末のベートーベンの第九より、わたしには賢治の「銀河鉄道の夜」を聴いた方がしっくりくるなと思った。菅さん、古川さん、小島ケイタニーラブ、ぜひ、毎年やりましょう!
心の中はからっぽっといえばからっぽなんだけど、そこにはしっかり朝の陽光が射していて、悲しみに暮れているよりは、わたしへの使命は「なすべきことをなすように」と告げられているように思う。それは無償の活動でもあり希望へ向かう活動でもある。それ「以降」を大前提としながらも、ここでどう生きて、どう行動するかを問われる2012年が間もなくやってくる。
みなさま、悲しいことの多い一年でした。でも前を向いて、新しい一年も命を大切に、育むこころで歩いて行きましょう。
今年も多くの方々に「みつばちの木箱」の活動を支えていただいたことを心よりお礼申し上げます。そして来年もこつこつとわたしのペースで続けます。