もちよる、あつまる、みつばちの集い

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7月8日の夜、神保町にある食堂アンチヘブリンガンで小さな集いを催しました。
「みつばちの木箱」の活版本が6月に完成して、自ら届けたい方々に声をかけてお祝いをしてもらいました。我ながらかなり積極的だなと思います。
冊子の紹介と宣伝はまた次回に書くとして、震災以降、人があつまるということ、人が会うということ、話をすることの大切さを感じています。しかも利害関係のおつきあいではなくて、自分の考えをもちよる場が必要な気がしています。

こんな一軒家があったらと思います。
階段を登ると木戸の門があります。門の入口から心地よい木陰が用意されていて、レモン、夏蜜柑、枇杷などの木々が植わっています。みつばちや小鳥が果樹にあつまって来てにぎやかになります。草花のなかに少しだけ種をまいて育てた矢車草やひなぎくなどが混在して咲き乱れ、秩序がないような、でもあるような、野放しの自然なようだけれど実は人の手がはいった花庭になっています。その先に元気いっぱいの女性が野菜を育てている一隅があって、「いま見てたら、ちょうどこのトマトが熟れてるからシェフに持っていってもいい?」なんて声をかけてる占い女がいるのです。
「貴重なはちみつが今朝採れたから、これでケーキでも焼いて」と、みつばちとばかり話をしている養蜂家の女が小瓶に輝くご自慢の黄金の蜜を持って近づいてきました。
肌の美しい凛とした女性が乾燥小屋から出てきて「それなら今日もこれから石けんを届けに行くけど、ついでに何か必要な用事があったら言ってね」と声をかけてくれたりするのです。この地帯はひとりの人がひとつだけの肩書きの職業では生きていません。自分の得意としていることならいくつもの仕事をかけもって、そのうえ自分たちの生活エネルギーをいち早く選び、ここで消費するエネルギーを起こして使い、自立のために必要な収入を得るために少しだけ余った電力を近隣の病院や学校に買ってもらっているのです。この地帯の宣伝はカップルのドキュメンタリストが情報収集とその方法を考えていて、独立したメディア局を運営しています。もちろんみんなが必要とする小さな生活情報も流してくれるのです。創造力に満ちたこの土地に関心を持つ人々が多く、ここで生まれたプロダクトは、独自のパッケージデザインで少しだけ大きな街で販売されていますし、本の制作室もあって出版もしています。メディア局や出版、エネルギーの運用のミィテーングはいつも食堂からです。食堂のシェフがまかなうのは、ここの住人分の食卓ですが、週に2回だけはレストランになって異なる地帯の人々も食べに来てくれます。
いっきにたくさんの「もの/こと」はできあがらないのですが、ほんとうに良い「もの/こと」を長く愛してもらうために、作り手たちは創造力を注ぎ、こころのバランスを大切にしているのです。大規模ではなく小規模単位で循環する流れのよい地帯がつながることによって、人々は気持ちよく暮しています。それは一軒という共同住宅で、点在する共同住宅をつなぐ地帯があって、地帯と地帯をむすぶコミュニティがあって......。
と、ここまで書いてその先は壮大すぎてわたしの思考のなかではまだよく見えてこないのですが。昨夜あつまったわたしの友人たちを見ているとそんな平和と希望のきざしが見えてくる人たちばかりでした。

「みつばちの木箱」は非常に個人的な制作モチーフとして出発して、やがて多くの方々をまきこんで小冊子となりました。この10年以上の年月のなかで、こんな形になるとは思いもよらなかったことです。これからは自分の場としてだけではなく、もちよりあつまる公開された集いの場に向かっていく予感がしています。
駆けつけてくださったみなさん本当にありがとう!

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藤井まほさんが調合したバスソルト。リュックに入れてもち帰った。チャックを開けたら充満するかおりにふらっとしてしまう。低めの温度のお風呂で半身浴でのんびりした。

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植物成分100%なのに、このなめらかさを表したくてカナダインディアンからいただいたウサギの毛皮の上に。石けん好きなわたしはこれからchizuさんの手づくり石けんを使おう。

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「みつばちの木箱」の活版本小冊子。グラシン包みの日課が楽しい。