THE ISLE

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本を読まない日々が続いています。こんなことは結構めずらしいことです。
n˚f˚4号をいよいよ入稿しました。1号から3号は、これまでに書きためたり、書きかけだった文章に手をくわえたものでしたが、今回は4号用に書き下ろしたものです。最終号でもあるので、チリのはるか彼方から写真をこころよく提供してくれたFelipeに、わたしがなりすまして書いたものといえるかもしれません。追体験ではないにせよ、撮影をした本人がいた場所から大きな時間が経過して、わたしに空想の力を与えてくれたといえるでしょう。書いている本人自体がもはや「主体は一体誰なのか」わからなくなってしまうほどでした。翻訳をしてくださったyamaさんから「人称」について、こういう風に訳をしたというコメントを翻訳後にもらって、そこから学ぶことの多かった号でもあります。つまり、英訳するにはいつも主語と単数なのか複数なのかを見つけなければならないからです。自分の書いた文章でこの確認をしているうちに、空想が創造の場に変わると感じました。こうして、あらためて異なる言語に置き換えるということのおもしろさを味わいました。
わたしは一時期、ヨーロッパのフィルム映画に興味があって傾倒していました。1日に何本も見て、映像詩に魅了されました。今回はそんな過去の自分の体験が少し見え隠れする構成にしました。静止画ではあるけれど、尊敬するジョナス・メカスの映像のようにテキストの流れる方向と交差したり「ずれ」を生じさせることはできないだろうか。まだまだ未完ではありつつも、そんな実験の成果がすこし現れているのではないかと自負しています。
書きはじめから推敲の間あきもせず聞き続けていたCDがあります。「THE ISLE」 (World Standard & Wechsel Garland)というタイトルです。CDジャケットは蒼い島と月のイラストです。静かな物語風の曲が折り重なり、深い青のにじみを感じさせるような演奏が、Felipeの写真にさらに広がりをそえてくれました。書いている時に音楽を聞くというのはこれまでにないことでした。書く前に聞くことはあっても、書いている最中に聞くということほど難しいことはないなと思いました。けれども、今回はこれも自分の世界を往ったり来たりする新しい方法のひとつに加えてみたかったのです。まるで、本当にフィルムを見ているような気持ちがしてくるようになりました。さらにそれに、自分の朗読を加えて、何度となく推敲を重ねたあたりが一番大切な時だったように感じます。
また、こういう取組みを細々と実験していこうと思っています。そしていつの日かその一部をみなさんにお伝えできる時があるかもしれません。

Comments:

ご無沙汰してます。
お忙しいのかな? お元気ですか。

「THE ISLE」いいですね。
一時期さんざ聴いていたCDだったので、ちょっとばかり驚きました。
「Wunder」もいいですよ。

> また、こういう取組みを細々と実験していこうと思っています。そしていつの日かその一部をみなさんにお伝えできる時があるかもしれません。

楽しみにしてますね。
でも、まずはn˚f˚4号でしょうか。こちらも楽しみにしてます。

では。

こんにちは。
いや、少しゆとりが出てきました。後半は、自分の活動をゆっくりとして、次の準備期間にしようと思います。でも、やりたいことはたくさんまた浮かんできてます。いい仲間に恵まれているということも拍車がかかりますね。

The ISLEの偶然ておもしろいですね。いまはWunder Wunderを毎日聴いてます。これまたとてもよくて、自分の心持ちにぴたっときています。
4号もどうぞお楽しみに。楽しみにしていてくださる方がいてとても嬉しいです!
ありがとうございます。

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