08から09へ

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08年はわたしにとって意外な展開の年だった。出版社に就職をして2年が過ぎ、わたしなりの主張ができるようになった。わたしがわたしらしく生きるにはまだしっくりこない部分もたくさんあるけれど、それは自分がどうあるかということの返答でもある。今年は仕事中心の生活から、わたしの活動をどう続けていくかが大きな課題だった。悩んでいたその思いに、後押しをしてくれて、周りの友人に支えられ、小さなきっかけから新たな転機がおとづれた。今年は2度の写真展をした。サイトのリニューアルとチリの友人とコラボレーションblogも立ち上げ、poet paperの処女作n˚f˚が出版された。案外、活力があるんだなと今さらながらに思う。いろいろな器が準備されたので、「みつばちの木箱」は蜜源をもとめて疲れ果てるまで羽を振るわせて飛んでいこう。
08年最後のいい出会いがあった。早朝の帯広から列車に乗って札幌へ向かった。トマムあたりからの雪景色に釘づけになる。凍った森林にやわらかな雪が積もりはじめ、雲のあいまにうすぼんやりと太陽の位置が確認できる。山口薫の色彩を再現したような、具象が抽象に向かう途上を垣間みる旅となる。
「わたしが今一番見たかったもの」を目の前にして、じわじわと感動がわきおこり「ありがとう」と誰かに向かって心のなかでささやいた。
札幌へ到着。地下鉄東豊線に乗りひとつめの北13条東駅で下車。氷点下2度、小雪がちらつきはじめた知らない街を、はがきを片手に歩きはじめる。閑散とした通りに面して、シックなカフェのガラスに何度も目にしたマークを見つける。ドアを開けると温かい空気が頬と鼻を包むように流れ出てくる。
「こんにちは」
「いらっしゃい」とカウンターのマスターの笑顔。この笑顔をひと目見て、ああ来ることができてよかったとほっとする。
「nostalgia cyanogen 祖父との対話」の写真展を開催していただいたCAFE&GALLERY Rabbit Onに、とうとうわたしは座って、ゆっくり室内を見ているのだ。極小カフェとは聞いていたものの、本当に小さくて落ち着いたスペースに、クラシックな祖父の写真が、マスターの好みで昔から飾ってあるかのように自然に調和している。
「毎日、場所を変えてみたりしてるんですよ」っと話してくれて、この作品が気に入って喜んでくださっている気持ちがよく伝わってきた。祖父と自分の作品がどうしてこんなところまで来たのだろうかとしばらく不思議な思いにひたっていたが、すぐに気にならなくなった。あまりわたしの作品という意識もなく、むしろ距離感さえ感じたのは、わたしからよい意味で作品が独り立ちしていったからなのだろうか。静かに流れるJAZZ。ファイヤーキングの黄色いマグカップに、おいしいコーヒーを注いでもらってリラックス。旅の最後がここで本当によかった。やがて女性のグループが数人入って来て、店はやや混雑。たった2時間ぐらいだったが、いいマスターに出会って、おいしいコーヒーを飲んで、話しをすることができてわたしは嬉しかった。
Rabbit Onなくしては、企画が生まれてくることもなく、この極小スペース以外にぴったりと作品群が展示できるところもないと感慨深く思う。最初で最後の祖父とのコラボレーション企画を見知らぬ街で開催できたことはいつまでも心に残るできごとだろう。

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写真は天然酵母パン。大西さんが北海道のアカシヤのはちみつと一緒に送ってくれました。
大西さん、どうもありがとうございました。また、必ずお会いしましょう!
大西さんがいろいんな軽食メニューを作っていますよ。札幌へお越しの際はぜひお立寄ください。とにかくいいカフェです。
CAFE&GALLERY Rabbit On
Open 11:00-22:00
定休日:月曜