秋田雪見たび その7

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五城目の町を散策している時に出会った自転車のおばさんが勧めてくれた村へ朝市のあと立ち寄ることにした。五城目町の中心から20分ほど奥に入った村は雪がさらに深くなる。時間的に交通手段はタクシー以外にむずかしくなったので八郎潟駅前から湯の越温泉まで乗ってみることにした。タクシーの運転手さんはこんな季節はづれのお客さんに大喜びで「ありがとう、ありがとう、助かったわぁ」を連発する。八郎潟駅からすぐのところにある和菓子屋「畠栄」のあんごま餅が名物でおばあさんの手作りだと教えてくれたので、立ち寄ってからの出発となった。湯の越温泉付近の村を散策してから温泉へ。温泉が特に大好きなわけでもなかったが、寒い地方での旅のコツはちょっとでもあたたまるために温泉につかることだと思う。都心で「お茶をする」感覚のように「温泉をする」方が土地にあっているように思うのだ。湯の越温泉の湯は硫黄臭が強く感じた。地元の方たちが圧倒的に利用をしている温泉で、気持ちの良い泉質だった。最後の秋田の晩餐はすずらん通りにある「芝良久」という店になった。カウンターでおいしいお酒と季節の肴をいただいていい気分になった。

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最終日の朝は秋田の名所角館へ向かった。残念ながら雪の中の武家屋敷はそれほどぐっとくるものがなく、観光地として整備された感がわたしをそれほど惹き付けなかった。それでも「文中」で稲庭うどんをすすり、「安藤醸造元」にも立寄り、屋敷の中を見学した。奥の間に雛人形が飾られていて、はじめて江戸期の押絵雛というものを見た。平面的な押絵のつくりなのに、立たせることで立体感がある不思議な人形群だ。人々が真夜中に寝静まったころ、人形たちが賑やかな宴をはじめそうな気じがして思わずクスリと笑った。趣味とはほど遠い華やかな人形の写真も一応記録に残しておこう。角館はおそらく桜のころが雅なのだろうと思う。せっかく来たので普通の民家を見て歩いていたら近代建築にであった。「伊保商店」という雑貨屋だった。店舗の中はレトロなものが雑然と置かれていてそれほど珍しいものが陳列されているわけではない。ただ、武家屋敷の整然とした空気にそぐわないこの存在がおもしろいなと思った。しばらくしてから角館納豆を買いに河原の方へと向かった。そうこうしている間に、東京へ向かう列車の時刻が近づいてきた。

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