
岩手県に横沢という集落がある。横沢栄次郎さんはトチの蜂蜜を採取する養蜂を行っている。2005年5月4日、わたしはその集落を訪ねる機会を得た。タイマグラのフィールド・ノートの山代陽子さんが運転する車で、県道から集落へ向かう細い道に入ったあたりから、人里を感じる長閑な風景を通り過ぎ、斜面に蜂箱のある横沢さんのお宅を見つけた。横沢隆雄さんの養蜂日記をサイトで見つけ、数々の美しい写真に魅了されて、どうしてもここへ行きたくなった。


バードハウスも手づくりだった
横沢さんにメールを出すと、見ず知らずのわたしに大変に親切に、「じじ、ばばの所へ遠慮なく行ってみてください」と返事を頂いた。伺うと、やさしい笑顔のナホさんが居間で座って迎えてくれた。コップ一杯もの貴重なトチの蜂蜜をご馳走くださり、農作業から帰られた栄次郎さんが、「蜂は刺すぞ」と言いながらも、帽子を出してくれて巣箱を開けに行ってくれた。




みつばちの水場になりそうなきれいな水が流れていた

初めてトチの蜂蜜をご馳走になる。酸味が残る味わい深い山の蜂蜜だった。こんなにおいしい蜂蜜を食べられるのなら熊になりたいと思う

寒く、風の強い地方で育つ蜂は幾分、神奈川で見ている蜂より気性が荒く感じた。元気で強いと思ったのは気のせいだろうか。新緑の光の中を飛びかう蜜蜂はただただ美しいと感じた。「ここは桃源郷だ」私は繰り返しそう呟いていた。横沢さんの蜂を見せて頂けて光栄です。本当にありがとうございました。








