綿(Cotton; Gossypium spp.)はあおい科のワタ属に属する植物に分類される。1年または多年草の植物だ。栽培種は主に4種類あるとされている。海島綿、エジプト綿、陸地綿、アジア綿。
海島綿は中南米地域が原産とされていて、1年草の現在の栽培種が生まれ16世紀にはアフリカに伝わりエジプト綿が生まれた。また陸地綿も古くはメキシコなどで栽培されていたが、18世紀から北米で大量生産がはじまる。シロバナワタの1年草、キダチワタの多年草はどちらもエチオピア南部が原産とされている。インドでは古くモヘンジョ・ダロの遺跡から紀元前2500〜紀元前1500年の綿布が発見されたという。シロバナワタは古代、西アジアへ、そしてキダチワタはインドへと伝わって栽培され原産地では4〜6メートルほどの高木になるらしい。どちらも東南アジア一帯に広まりアジア綿と呼ばれるようになった。中国へ伝わったキダチワタから1年生のシナワタが分化して栽培されるようになりこれが日本へ伝来した。日本在来といわれる種はシロバナワタの系統だという。日本には古来、綿はなかったとされる。初めてその記録があらわれたのは孝謙天皇の時代だった。その綿は中国か朝鮮からの渡来品であったらしい。
綿が初めて日本で栽培されたのは桓武天皇の延暦18年(799)で、漂着したインド人がもたらしたとされている。けれどもこの種子は1年で絶えてしまう。その後、何度か栽培はされたが本格的に棉作のようなものが始まったのは16世紀に入ってからである。
その栽培の伝播とか種の系統を辿ってみるだけでも時代を越えた冒険心をかきたてられる。 |