| |
| 久しぶりに都心に出た。もう秋というはずなのに今日の日射しは真夏のようだ。休日でない街に出かけるのは何ヶ月ぶりだろうか。ちょう度昼時、久々どこかで食べようか、と思いきや木陰でお坊さんがお弁当を……。 |
用事で久しぶりに代官山の街へ午前中に出かけた。暑さであまり乗り気もせず、しかも寝不足気味。しばらく、この街に途中下車もしていなかったので、どうせなら少し歩いてみようと散策をはじめた。
代官山は、大正13年(1924年)の関東大震災直後、国内外からの義捐金を元に設立された同潤会によって、昭和初期に同潤会アパートメントが駅前にあった。中学、高校の頃はよく途中下車をしてアパートメント付近を散歩したものだった。今では跡形もなく開発が進み性格のない街へと変貌している。ゆいつ、カルピス社のビルが懐かしい。ここ数年はオシャレの発信地として、人々がゾロゾロと長蛇の列をなして入る人気店などがつらねている。しかし、それもほんの一時のような気がする。巨大ビルのあちこちにペナント募集の広告が目についたり、店終いしてしまった空室がまるで廃墟のようにさえ見えるのだ。なんだか食い尽くされてしまった街のようだ。そんなことを思いながら、ふらりと駅前まで一周して帰って来るとお坊さんが立っていた。先日、『阿闍梨 山の道』ダニエル・モロー監督(フランス)の作品で、比叡山や京都の街中を峰行する僧のドキュメンタリービデオを視聴させてもらった。京や奈良の街は日常に僧の姿を見ることが希ではない。
もしや、と思い近づいてみる、何やら配っている。「初めてですか?」とにこやかに声をかけてくれたので「はい。」と答える。「精進料理のお弁当を売ってるんですよ。」とおしゃれな献立を見せてくれた。
本日のメニュー
1.さつま芋の天ぷら
2.焼きなす
3.大豆のつくね
4.蒸し人参豆乳マヨネーズ
5.万願寺とうがらし炒め
6.ひじき煮
7.小松菜ごまあえ
8.くろ瓜浅づけ
9.紅しょうが
10.きのこの炊き込みごはん玄米
笹かごのお弁当箱に入ったお弁当はとてもおいしそうに見えた。しかも、外人が駅前広場の階段で座ってさっそく食べているのを見て「今日のお昼はこれに決まり!」ということになった。値段は大小とあって、大が1200円、小が650円だったか。
野菜はなんでも成田市の小泉循環農場からのものらしい。私は、これを今日の最高の贅沢として持ち帰って食べた。
丁寧な素材を生かしたおかずと、なにしろ心とアイディアがそこに凝縮されていておいしかった。中に入っているお坊さんのプロフィールを見た。なんだかとっても活躍中な人なのだった。ニューヨークの寺院で数年厨房を勤めていたそうな。そういえば、サンフランシスコでも禅のすばらしい精進料理を味わえるところがあったっけ。お坊さんは三帰天海さんという。これからも、お店をかまえないで、できることならずっと足で街を巡ってほしいなと思う。とても気持ちのよいお弁当をありがとう!
|
|