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●塩と青いガラス器
ボーンホルム島の塩はおいしかった。
純白で粒の粗い塩だった。甘みを含んだやさしい塩味だ。小さな青いガラス器に入れられていると塩なのに、もっと何か特別なものに思えるような美しさだった。
そっと人さし指につけてなめてみた……。
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●薫製
島を歩いていると強烈な魚臭が鼻につく。
ニシン漁の盛んなこの地方では、ニシンのオイル漬けそしてここ、かしこに薫製工場が立ち並ぶ。海沿いの一軒に立ち寄ってみた。
脂ののった魚をそれぞれ独自のチップでスモークするのだ。おそらく、暗くて長い冬の島での保存食用として重宝されてきた技法だろう。
草庭に点在するテーブルとベンチに地ビールと出来上がったばかりの薫製を運んで食べる。
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薄いライ麦パンの上にバターを塗って、薫製の魚の身をほぐしてからパンの上にのせる。付け合わせの野菜をスライスしてその上にのせ、さらに卵黄のソースをかけてからチャイブを散らす。それを切り分けながら口にするオープンサンド風の食べ方が定番だ。
力強く、くせのある味なのだが、塩加減と魚の脂のジューシーさがたまならくビールと良く合う。
気がつくと、自分も前身スモーク臭くなって、数日はこの臭いが消えなかった。
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●畑の先の海
ボーンホルムの風景で好きなのは畑の向こうに見える海だ。畑といってもそれほど手をかけたものではなくて、雑草と野菜が混在して植わっている。とても魅力的な菜園だ。この小さな畑には柵もないので人が自由に入ることだってできる。草むらを押し分けて海を眺める。今日は風も弱く穏やかな波だ。嵐の時はどうなるのだろう。冬はどんよりと暗くて寒いだろう。遠くの海からやってくる季節風のことを思いめぐらすと少し気がめいる。
そんなことを考えているうちに夏のはずなのに肌寒い風が吹いて来た。
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