ハマースフスの城跡

夏だというのに薄曇りの島の最北端は、相変わらず冷たい風が強く吹きつけている。北欧最大といわれるハマースフスの城跡に向かって丘をのぼって行く。バルト海をのぞむ、この中世の要塞はスウェーデン司教が個人邸宅として築いたものといわれていた。けれども実際は、デンマーク国王が12世紀の初頭に建てたものという有力が説があって、所有管轄はたび重なる戦争で返還、略奪がくりかえされたという歴史をもつ。
石碑には
「人々はここで異国の支配を断ち切った
崖が海を食い止める場所にて解放された種族は父なることばをもつ
何があってもボーンホルムはデンマークの島である」
穏やかで美しい廃墟と化した城は、かつて戦いのあった地とは思えないほどで、むしろアンドレイ・タルコフスキーのフィルムの世界に引き込まれたような錯覚をおこす。城跡という舞台を背景に旅する自分を回想しイメージがふつふつと沸き立ってくるのだ。
壊れても美しいとはこういうことなのか。

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